ようやく食中毒も完治である。美味しいものを食べられなくなる生活というものが、こんなにも悲惨だったのかということを気づかせてくれた出来事であった。療養中は友人からお見舞いの連絡も貰ったが、「普段から過激な物言いをしているから、毒でも盛られたのかと思った」とのコメントには笑ってしまった。とりあえず、病の前後のことを書きとめておこう。先週の月曜日は大学の新学期を翌日に控え、自宅でレポート等の準備。土曜に提出する予定の『外国史概論』のレポートでは、中国について取り上げる。“清”が成立した際、滅亡した“明”を再興すべくある遺臣が立ち上がった。名を、鄭成功という。海賊の親分を父に、そして日本人女性を母に持つ彼は、明朝最後の王を奉じて最後まで清に頑強に抵抗。その勇猛果敢な姿は、後に『国性爺合戦』として、近松門左衛門の人形浄瑠璃で人気を博した。成功は僅か39歳の若さで病に斃れたが、その生き様は今もなお、後世に生きる我々現代人の心を捉えて離さない。原稿用紙5枚の目標に目処がついた所で、夕食をとりつつテレビを観る。アニメの『ヤッターマン』が、30年の時を超えて遂に復活したという。『タイムボカンシリーズ』といえば今の若い世代は知らないと思うが、70〜80年代にかけて、日本のお茶の間を席巻した偉大なアニメだ。ドロンジョ、ボヤッキー、トンズラーの“3悪トリオ”の声はそれぞれ小原乃梨子、八奈見乗児、たてかべ和也と変わっていない。ドクロベエ役の滝口順平氏、そしてシリーズの音楽を一貫して担当してきた山本正之氏も健在である。今の30代以上の大人にとっては、なんともたまらない顔ぶれだ。今もなお、変わらない声で多くの人々に夢を与えてくれる彼らに感謝したい。テレビを観ながら、久々に書庫からある本を引っ張り出す。今から20年前にアニメージュ編集部が発刊した、『TVアニメ25年史』である。77年の項に目を通した。7本作られたシリーズの中で、最も人気が高く放映期間も長かったようだ。当時小学6年だった私は、3千円という大金をはたいてこの本を購入した。母には随分と怒られた記憶があるが、今ではこの本がアニメ関係では価値の高い資料となっていると聞く。以前、日本のテレビ史を研究している大学の先生に貸したことがあったが、「全部カラーコピーさせてもらったよ」と言われた。そういう“稀こう本”と呼ばれるものが、ジャンルを問わず私の書庫には眠っている気がする。何かお探しのものがあったら、私に声を掛けていただければ幸甚である。 火曜日は「インド思想概論」の試験。この時点では、腹はまだ何ともなかった。試験前に、知人のkさんと談笑。先日桑田佳祐のライブに行った際、お土産に『ぽち袋』を買ってきて渡したが、随分と喜んでくれたようだ。試験ではカースト制の縛りの中、生活の愉しみを見い出す奴隷層の人生観について論じた。水曜日、いよいよ異変が起きる。大学につくやいなや吐き気と便意が止まらない。白石公子先生に今期の最後の挨拶をした後、命からがら千葉へと帰る。翌日は仕事をキャンセルして地元の病院へ。診断は『ビールス性胃腸炎』と。老人や幼児なら死につながる、危険な食中毒だという。注射をしてもらい、薬をもらって自宅へ。金曜も仕事を休み一日中横になる。母が、おかゆを作ってくれた。鰹節の香りが鼻腔をくすぐると、瞬時にして涎が堰を切った滝のように口内を包んだ。白飯がこんなに美味いと感じたのは、一体何年ぶりのことだろう。病気になると、普段の何気ない生活が感謝に満ち溢れていることに気づく。今の私には、その気づきが必要だったのだろう。 土曜は、なんとか病状も回復。昼には『外国史概論』の最終講義で、月曜にまとめたレポートを柳沢明准教授に提出する。次の中国語まで時間が空いたので、PCルームへ。悪名高い自費出版商法で批判が高まっていた新風舎が、遂に破産というニュースが。社長の松崎義行の顔は、“良心”というものを知らぬ典型的な詐欺師の顔だ。ここにも、やはり「義」という“人名に使ってはいけない漢字”が入っている。これで「本を出版したい」という善意の人々につけこむ自費出版商法も、ようやく下火になるだろう。松崎のような馬鹿には、二度と文学など語ってもらいたくはない。 月曜は『儒教史』の試験。王陽明が創始した『陽明学』について、「心即理」「知行合一」「致良知」の基本3説の説明とそれが与えた影響について論じた。「致良知」とは、人間の心に本来存する是非善悪を判断する本体、すなわち“良知”によって物を正すという意味だ。自分の“良知”がどこまで正しいかは、自分という人間がどういう行いをしてきたかにかかっている。“良知”の高い人間が、今年こそよき指導者として登場してきてくれることを願っている。 火曜日は昨日の『儒教史』の補講。北澤紘一先生が、専門分野の近代中国について研究発表を行うという。その前に腹ごしらえをと思い、文学部カフェへ。入口で、昨秋に『SLOPE WALKER』のインタビューでお世話になった同じ第二文学部の香田君とばったり会う。なんでも、“名画座Walker”という映画サークルを立ち上げるとのことで、小冊子を作ったから読んでほしい、と。目を通すと、高田馬場駅前の映画館『早稲田松竹』をはじめとする都内のシアターMAPの紹介をはじめ、映画への愛情が凝縮された内容となっていた。そのまま、一緒に夕飯を共にする。新潟出身で、早稲田は2度目の大学だそうだ。朴訥で信念が強い、生粋の日本男児である。今年も、機会があったらまた一緒に何かやろうと約束して別れた。そして、補講の教室へ。学生は、僅か4人。後半は先生との楽しい雑談になった。聞けば、先生と私は共に昭和51年生まれで同級生とのこと。そして、やはり盛り上がるのは受験の話。代々木ゼミナールでは漢文のトップ講師として、全国の受験生から熱い支持を得ている先生である。間もなく早稲田でも一般入試が始まるが、今年も北澤先生の講習を受けていた子が、合格してたくさん入ってくるだろう。『日日是決戦』から解放された後は、本物の“知の興奮”が待っている。その瞬間がやってくることを信じて、最後まで受験勉強を全うしてほしい。 日本における陽明学の先駆者・中江藤樹が、こんな言葉を遺している。 人間千々よろづのまよひ、みな私よりおこれり。 わたくしは、我が身をわが物と思ふよりおこれり。 人はみな、自分が一番かわいい。自分かわいさの余り、悩み、憎しみ、悶え、失敗することはあまりにも多い。人間は、孤立して生きるものではない。また、この身は父母の遺体とさえも言われる。すなわち、色んな形の倫理の中で生まれ、そして生きるのだ。たとえ自分のいのちでも、また自分の所有物でも、それを大事にしなければならないのは、ただ自分ひとりのためだけではない。 自分という人間が“いま”生きているのは、誰かが自分に“優しさ”を与えてくれたからだ。 多くの人々に、自分の能力で愉快な時間を提供したいという“優しさ”。 体が弱っている人に、何かをしてあげたいと考える“優しさ”。 大きな目標を掲げて挑む若き勇者に、善き戦略を授けたいと願う“優しさ”。 “優しさ”を忘れない人間は、必ず自分が“生かされていること”への感謝の念を持っている。 その“感謝の念”が人生の喜びを、そして更なる成功を呼び寄せる。 感謝の心は、人生を切り開く最大にして最強の道。 凍える寒さに打ち震えつつ、真摯な信念で「よろづのまよひ」を克服せよ。 |
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タイムボカン に関するブログのYahoo、Google、Goo、Livedoor検索による最新の口コミ情報をお届けします!… ...続きを見る |
最新ブログをまとめて検索 2008/01/24 23:45 |
ノロウイルスの症状
ノロウイルスの症状や潜伏期間・感染症・原因・対策・予防を解説。ノロウイルスはウイルス性食中毒の主要な原因ウイルスでここ数年で患者数が急激に増えており、生カキの喫食に起因する食中毒事例がよく知られています。ノロウイルスはウイルスに汚染された飲食物を口にすることで感染します。ノロウイルスに感染しないためにも効果のある予防対策を施しましょう。 ...続きを見る |
ノロウイルスの症状【潜伏期間・感染症・原... 2008/01/26 08:49 |
新風舎に電話通じました。
あんまりうまく話せなかったんですけど… 私は、1月最初の営業日に、30冊代引きで注文したのです。代金70%のときに。 その30冊は、どこに行ってるかわからん、と。 で、 ・そんな状態では先払いで注文するなんてできない。 ・何で著者が倉庫代を負担するのか、無償で.. ...続きを見る |
入り江に棲む鰐 2008/01/26 09:40 |
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