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zoom RSS 苦界を乗り越え“この体”で生を燃やしぬこうー片岡鶴太郎展に足を運んで

<<   作成日時 : 2009/09/13 19:58   >>

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画像千葉三越で開催されている「墨戯彩花(ぼくぎさいか) 片岡鶴太郎展'09」に足を運んだ。お笑い芸人としてスタートし、ボクサー、俳優、そして絵師と、華麗な転身を続ける我らが鶴太郎。今では、気安く「鶴ちゃん」と呼べない存在になってしまったが、その作品は、あくまで我々と同じ庶民の側に立った、温かみを失わない視点を保ち続けている。画業14周年を迎え、円熟味を増してきた彼の最新作を楽しみに、会場へと入った。



既に入口から、老若男女の鶴太郎ファンで溢れ返っていた。最初の壁に、大きな写真と共にプロフィールが掲げられている。私が子供の頃(昭和60年代)といえば、『オレたちひょうきん族』ではマッチ(近藤真彦)のマネや「ピヨコ隊」「マイ爺さん」といったキャラクターで人気を集め、『夕やけニャンニャン』では司会として見事な仕切りをしていた鶴太郎氏の姿が印象的だ。芸人として大きな成功を収めた氏だったが、ご本人には忸怩たる思いが燻っていたという。ザ・ドリフターズ志村けんさんが10年ほど前に雑誌『日経エンタテイメント!』で連載していたコラム『変なおじさん』では、「トークは(ビート)たけしさんがいる。コントは志村さんがいる。僕はどの道で身を立てればいいのか」と志村さんに苦悩を打ち明けた場面が描かれている。鶴太郎氏が芸人としての栄光を捨て、俳優へと大きく舵を切ったのが平成4年の秋だ。全てのレギュラー番組の降板にあたり、自身初の冠番組となった『鶴ちゃんのプッツン5』の最終回では、今までにない神妙な顔で新たな道を切り拓く決意を語っておられた。私は当時高校1年だったが、その姿を観て「もう、面白い鶴ちゃんは見れないんだな」と大きな寂しさに襲われたのを覚えている。ボクシングのライセンス取得や、俳優としての大きな成功が自信になったのだろう。90年代後半に入り、大きな“天命”が氏の下に降りた。それが“絵”である。



画像「椿」や「果物」をモチーフにした作品が並ぶ順路を往く。本当に、心に平穏が訪れる道だ。平日の仕事の大変さも、しばし忘れさせてくれる。「秋刀魚に銀杏」という絵は、秋刀魚の青みと赤みがあまりにもリアルで、思わず涎が出た。二曲屏風の「四季」と題された作品は圧巻。氏がもし安土桃山時代にでも生まれていたなら、狩野永徳から後継指名でも得ていたのではないだろうか。それくらい、描く者の情熱と観る者の心に訴えかけるもの(魂の引き合い)を激しく感じさせる一作であった。やがて「家富良」と題された、かぶを描いた作品のコーナーに入る。緑で描かれた根っこの部分は、ハートの形に見えた(写真)。絵の下には、本人によるこんな言葉が添えてあった。


「かぶら」は「蕪」と書きますが、「家」が「富」む「良」しと当てています

蕪の形は丸く 円「ご縁」を描き 葉は先に行くにしたがい

末広がり「末広」になっています

根は右に曲がりそして上がっています つまり「株の値」が上がります

蕪はすべてにおめでたいのです





画像その先を行くと、薬師如来大日如来を描かれたスペースに。さすがに雰囲気が違った。本当に実物が降臨しておられるような聖域だ。高次元のスピリットと魂が感応した鶴太郎氏の指が、人間には目の当たりにすることのできない世界を、真理に昏い現代人に伝えるべく動いたのだろう。続いて、仔猫が描かれたスペースへ。エメラルドグリーンをバックに、人懐こそうな仔猫が小首を傾げている(写真)。先日、うちの庭で深夜、仔猫の鳴き声がするのでどうしたことかと調べたら、3年前に亡くなった愛犬の小屋の片隅で生まれたばかりの仔猫が2匹うずくまっていた。妊娠した親猫が、風雨を避ける為に探し当てた“格好の場所”であったのだろう。2日ほど牛乳を与えたりしたが、ある日無事かどうか確認に来た親猫とばったり庭で会ってしまい、その日の夜にはもう仔猫の姿はなかった。あの猫の親子は、元気にやっているだろうか。そんなことを思い出しながら、鶴太郎氏の、生きる物すべてへの崇敬の念に、改めて感銘した。





5年前、千葉銀行のイメージキャラクターを務めていた鶴太郎氏が、同行の広報紙『ちばぎんラウンジ』に登場された際、こんな言葉を残していた。


「この体を使って、どう生を全うできるか」というのが、私の人生の一番大きなテーマです。


私の体は親からいただいたものですが、広くいえば宇宙的なもので、


今世を生きるためにお借りしているものという気がしています。


生かされていることに感謝しながら生きて、顔にどういう皺(しわ)を刻んで一生を終えられるか。


これからもそのことを考えながら生きていくと思います。





大学生、物書き、易者と何足もの草鞋を履く私としては、芸人、ボクサー、俳優、絵師とやはり多彩な顔を持つ鶴太郎氏の生き様には、共感するところが多い。この一度の人生で、何回分(何人分)もの人生を経験することを宿命づけられているーそういう厳しくも幸福な使命が課せられているのなら、いくらでも、果たそうではないか。



最後に、この展覧会の開催にあたって、鶴太郎氏がしたためた詩を引きたい。




人様との交わりも楽しいが ひとり 詩を作り 歌を詠み 書を描く

そんなひとりの時間が大切で在り  やはり 好きなのです

そう 良寛さんは申して居ります


人は皆 孤独です

ですから 御縁を大切に心寄せ合い 支え合って生きてゆくのでしょう

しかし ひとりの時間が無くては味気ない

孤独の時間が哀歌を生み 月を愛で 花と語り 雨に想い 酒に微笑えむ

たったひとりきりの画室 孤独の切なさに包まれる

私の心の音色 ポエジーを紡ぎ出すにはひとりでなくてはならない

静寂の中で 墨を磨り 絵の具を研ぐ 椿を描く

孤独の中で 椿と語り 花の彩(あや)に哀歌をのせ 墨と戯れる

ひとり遊びがはじまった

あとは音色が尽きるまで 精霊たちよ 宿っておくれ 墨戯彩花






・・・苦界を乗り越えて芸術の高みに達した巨人・片岡鶴太郎の、更なる“生の喜びの軌跡”を、これからも目撃したい。





画像





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