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zoom RSS 南の空に、再び輝く星が五つ・・・サザンオールスターズ復活に横浜燃ゆ

<<   作成日時 : 2013/08/12 12:29   >>

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画像5年前の8月23日。その日は雨だった。横浜の天気は荒れていた。まるで、彼らとの長い別れを惜しむ日本国民の心模様と、その先の日本の未来を暗示するかのように。日産スタジアムに到着し、会場を取り巻く周囲の熱狂を肌で感じながら、私はラストライブとなった30周年大感謝祭に足を運んだことを思い出していた。“彼ら”とはもちろん、日本最高のロックバンド・サザンオールスターズである。



画像母を連れてのライブ参戦。新横浜駅から日産スタジアムに向かうタクシー乗り場に並んだが、同じ目的の夥しい人々が先客が前にいたお陰で、到着が開演時間を過ぎていた。しかし、入場の遅れから開演も遅延。これ幸いとばかりに、ゆっくりとツアーグッズを買ったり、記念写真を撮影したりした。そして座席指定入場券を、身分証明書とともに提示。もらったチケットには、“アリーナD7ブロック”と。5年ぶりの復活ライブをアリーナで観られる。興奮の中、座席へ走った。そして、開演予定時刻から50分遅れの18時20分、遂に照明が落ちた。サザンオールスターズ、5年ぶりの帰還である。



画像「人生のバイアグラ」「歌うマムシドリンク」とコミカルに彼らを形容する文言がスクリーンに踊ったあと、メンバー5人がステージ下からせり上がって登場。繋ぎ合った手を高らか掲げるその姿に、狂喜乱舞する客席。そこでスクリーンには“SOUTHERN ALL SMAP”と出て、SMAPの『がんばりましょう』が流れる。ズッコケるメンバーの姿に爆笑。たまらなく懐かしい、サザンらしいボケ方だ。そして、遂に演奏開始。1曲目は『海』。ライブでは必ず演奏されてきた、人気の高い一曲。2曲目はアルバム『ステレオ太陽族』から『My Foreplay Music』。80年代は、湘南をドライブデート中の男性が、この歌をBGMに助手席の女の子を口説く光景があったのだろうか。そして3曲目で、早くもデビューシングル『勝手にシンドバッド』。パーカッション・野沢“毛ガニ”秀行が、コンガとホイッスルで盛り上げる。スクリーンには、“35年間ありがとう!!”の文字が。そして、5年ぶりに響く、7万人による“ラーララーララララララー”の絶叫。サザンが本当に帰ってきたと、改めて感じた瞬間であった。




画像MC。我らが桑田佳祐が「開演押しちゃってごめんね〜!前座のポルノグラフィティが帰っちゃった。日産スタジアムに5年ぶりに帰ってきました!7万人だよ!主催者発表は7万人。実数は2万人ちょっと欠けるくらいか」と笑いを取る。やっぱり桑田は、ソロよりサザンの方がいい。5年ぶりのステージに、ファンだけでなく自身も興奮しているようだ。その後も「今日は長めにやるから、座っていいよ。今はコンサートって言っちゃいけないんだな。今夜のギグ(笑)は」「5年前にお別れして、再会できて良かったです。一生懸命一曲一曲、手を抜きながら(笑)ポール・マッカートニーになり代わり、ジョン・レノンの分まで頑張りま〜す」と、キレのあるトークで客席を沸かせる。そして4曲目『YOU』、5曲目『涙のキッス』、6曲目『愛する女性(ひと)とのすれ違い』と、まさに極上のラブソングを連発。左斜め前の席にいた、妙齢の女性が号泣していた。まさに、青春のど真ん中にサザンがいたのだろう。スクリーンに、カモメが映った。7曲目『夏をあきらめて』。女性が主人公の歌だが、ボーカルは桑田。私も好きで昔からカラオケでよく歌う一曲だが、昔から一度、原由子のボーカルで聴きたいとも思っていた(逆に原のボーカル曲で桑田Verで聴きたいのは『鎌倉物語』。ついでに言えばドラムス・松田弘がリードボーカルをとった『夏の日のドラマ』も桑田verで聴きたい)。その後も『Moon light lover』『さよならベイビー』『愛の言霊』を演奏。不朽の名曲を久々に生で聴ける幸運に感謝した。




画像再びMC。5年前、「サザンの屋号を一旦皆さん(ファン)に預けます」と言った桑田だったが、今回は「預けっぱなしの屋号、返してちょうだい」の一言で、“屋号返還の儀”へ。屋号が入っていると思われる玉手箱を持った、女性の神官が登場。桑田が徐に玉手箱を開けると、そこにあったのは“屋号”ではなくトンボの幼虫の“ヤゴ”。「このヤゴ、大事に育てよう」という桑田の呼びかけに会場爆笑。その後はNHKの朝の連ドラ『あまちゃん』のパロディドラマをバックに原由子ボーカルの新曲『人生の散歩道』を経て、復活に際して最も大きな話題を呼んだ三井住友銀行のCM曲『栄光の男』へ。スクリーンには、長嶋茂雄引退試合以降の昭和の世相と、デビュー時のサザンの写真が矢継ぎ早に映る。誰もが皆、子供の頃は純粋だったはずだ。社会に出て経験を積むうち、視点や思考がシビアになる。若さとは愚かさであるけども、それは同時に可能性でもある。皆がすべて“栄光の男”にはなれないけど、それでも生きていかなきゃ・・・これほど、男の哀愁を捉えた作品が過去にあっただろうか。36年目にして生まれた、サザンオールスターズの最高傑作ではないか。南の空に再び、星が五つ、輝きだした。ただ、それだけのこと。でもそれが今、私達にもこの国にも、必要なのだ。これから長く、多くの日本人に愛唱されること必定の名作である。



画像アコースティックコーナーを経て、まさにヒットメドレーとも言える時間へ。『Bye Bye My Love(U are the one)』では、“波音は情事のゴスペル あの夏よ いずこへ 酔いざめのヌードで今、誰かに抱かれてる”の名フレーズを、桑田が“横浜は雨もなく 素晴らしい夜だね 僕らは再び出会って 幸せ感じてる”と替え歌にして客席の喝采を浴びた。『真夏の果実』『LOVE AFFAIR〜秘密のデート』『涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜』と大ヒットシングルを演奏後は、新曲の『蛍』と『ピースとハイライト』を。『蛍』は百田尚樹氏のベストセラーで今冬、V6の岡田准一主演で映画化される『永遠の0』の主題歌。“生まれ変われたなら また恋もするでしょう 抱き合い命燃やすように”というサビが、優しい。『ピースとハイライト』は、日中、日韓関係の難しさがテーマ。スクリーンに日米中韓の首脳の写真が、肩を組んで仲良くするアニメーションが映し出される。11年前に行った、桑田の東京ドームソロライブで演奏された、『ROCK AND ROLL HERO』を思い出した。自宅の書庫に、21年前に買った『月刊カドカワ』のサザン特集がある。当時は、小林武史との共同プロデュースで話題を集めたアルバム『世に万葉の花が咲くなり』のリリース時。前年に勃発した湾岸戦争に衝撃を受けた桑田佳祐は、アルバム制作と並行して『ネオ・ブラボー!!』というシングルを作っていた。その経緯に関して桑田はこの本のインタビューで「ロッカーといえども人の子であって、世を憂いたり世の中をスケッチすべく音楽を作る、みたいなね。真っ向から世の中を糾弾するようなスタイルではなくて・・・」と話している。同じ本に収録されている、当時中国の北京で行ったライブ(『南天群星北京的秋』)のピンナップでは、日本と中国の国旗を合わせて羽織ってアンコールに登場した桑田の姿が紹介されていた(写真)。右派が批判するような反日ではなく、桑田は本当にアジアの平和を願っているのではないか。ファンとしてはそう信じたい。その後は結成10周年の復活シングル『みんなのうた』で恒例の客席へ向けての放水で盛り上がった後、『マンピーのG☆SPOT』で本編が終わった。




画像アンコール。活動休止前のラストアルバム『キラーストリート』から、人気の高い『ロックンロール・スーパーマン〜Rock’n Roll Superman』を演奏後、『フライングゲットブルース』という見知らぬタイトルがスクリーンに。すると徐に“I want you I need you ヘビーローテーション、上からマリコ〜”とAKB48のヒット曲を連呼する桑田。おまけに「秋元(康)さん、お金ちょうだい!皆さん、桑田佳祐のことは嫌いでも、サザンオールスターズのことは嫌いにならないでくださいッ!!」と、キンタロー。風に絶叫する彼に、場内は怒号が飛び交うかの如く爆笑。これでこそサザンだ。そのまま『HOTEL PACIFIC』へ。13年前のシングルリリース時のダンサーは“Oh!モーレツ”の小川ローザの衣裳だったが、今回はAKB48の『言い訳maybe』の衣裳にモデルチェンジ。秋元氏にちゃんと許可をとっているのだろうかと、余計な心配をしてしまう位の盛り上がりだった。

最後のMC。「サザンオールスターズ帰ってきました!今日は復活最初の日ですから、胸に刻んでこれから頑張ります」と真剣な面持ちのあと、『いとしのエリー』へ。大衆の夢と希望を背負い続けた栄光の男・桑田佳祐から、ファンへ、そしてメンバーへ向けてのメッセージだろうか。そしてオーラスはやはり、『希望の轍』。どれだけの日本人が苦しいとき、この歌を心の支えに生きてきただろう。詞の、音符の、歌声のひとつひとつが、勇気の足跡となって私たちの心に響いてくる。これまでも、これからも、永遠に愛され続けるであろう不朽の名曲で、復活ライブは幕を閉じた。




画像サザン復活に際しての著名人のお祝いコメントを散りばめた新聞広告で、思想家の内田樹がこう書いていた。


サザンオールスターズの音楽はおそらく「最後の国民歌謡」として日本音楽史に名前をとどめることになると思います。「国民歌謡」の条件はいくつかあります。第一の条件は特定の年齢や性別や階層を排他的に標的にせず、「老若男女」すべてに全方位的に歌いかけていること。第二の条件は「異文化とのハイブリッド」であること。土着的なものと船来のものの混淆こそ日本文化の正統のかたちです。桑田佳祐の歌唱法はエリック・クラプトン的かつ前川清的ですが、これこそ国民歌謡の王道。第三の条件、これがいちばんたいせつなのですけど、「国土を祝福する歌謡」であること。「江ノ島が見えてきた」以来サザンはさまざまな地名を歌い込み、それらの土地を豊かに祝福してきました。これは古代の「国見」儀礼や山河の美しさを言祝(ことほ)ぐ「賦」の系譜に連なるものだと私は思っております。国民国家が解体しつつある時代に敢えて再登場を果した「最後の国民歌謡」バンドに連帯の拍手を送ります。



日本国民最後の、共通言語。ネットの普及による“個=孤”の進化が極まった現代ではもう、子供からお年寄りまでが一緒に歌えるような歌は出現しない。サザンを失ったとき、それは私たちが“故郷”を失うということなのだろう。一年でも、一日でも、サザンの命数が残っていてくれることを、心から願ってやまない。





サザンオールスターズのボーカル・桑田佳祐は、ライブの最後にこう締め括った。





素晴らしい夜をありがとう!素晴らしい人生を過ごしてよ!!





…我々の頭上に再び輝きだした、眩しすぎる南十字星に震えつつ。





画像




2013.08.10 サザンオールスターズ SUPER SUMMER LIVE 2013 灼熱のマンピー!! G★スポット 解禁!!at 日産スタジアム SET LIST

01.海
02.My Foreplay Music
03.勝手にシンドバッド
MC@
04.YOU
05.涙のキッス
06.愛する女性(ひと)とのすれ違い
07.夏をあきらめて
08.タバコ・ロードにsexyばあちゃん
09.Moon Light Lover
10.さよならベイビー
11.愛の言霊〜Spritual message〜
MCA
12.人生の散歩道
13.栄光の男
14.ラチエン通りのシスター
15.NEVER FALL IN LOVE AGAIN
MCB
16.神の島遥か国
17.慕情
18.太陽は罪な奴
19.Bye Bye My Love(U are the one)
20.真夏の果実
21.LOVE AFFAIR〜秘密のデート
22.涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜
23.蛍
24.ピースとハイライト
25.マチルダBABY
26.ミス・ブランニューデイ(MISS BRAND-NEW DAY)
27.みんなのうた
28.マンピーのG☆SPOT

〜ENCORE〜
29.ロックンロール・スーパーマン〜Rock’n Roll Superman
30.HOTEL PACIFIC
31.いとしのエリー
32.希望の轍


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