八田靖彦・奇跡の言霊ブログ(旧・奇跡の占いブログ)

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zoom RSS 人生に失敗などないーそこにあるのは“前向きなつまづき”である

<<   作成日時 : 2006/06/25 16:27   >>

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画像いよいよ来月から大学も前期試験である。金曜は、早くも「小説論1」の筆記試験があった。60分で1本の短編を書くという形式だったが、多忙で構想を練る時間もなかったのでかつて書いた詞の内容をふくらませてマス目を埋めた。昨日の朝は顧客の方とメールのやりとりでカウンセリングを行い、12時過ぎに大学へ。大隈ガーデンハウスにて「うな重」(462円)を頂く。ほうれん草のおひたしに切干大根、食後のアイスクリームまでオプションにつけて豪華に昼を過ごした。窓ガラス越しに隣の大隈庭園を眺めると、いつもは人がいないのに、今日は多くの人が寝っ転がったり走り回ったりしている。不思議だなと思い食事を終え庭園の入口に行ってみると、平日の昼のみの開放が土曜にも拡大されたとのこと。今までは仕事の関係で入れなかったので、ようやく“大隈庭園デビュー”を飾った。


由緒ある碑文や韓国の稲門同窓会から贈られたという鐘を眺めながら、日陰に位置する椅子を確保して本を取り出す。太宰治の『人間失格』だ。火曜に受講している「日本近代文学」のレポート課題で、「自己・他者・自意識をキーワードとして、作品の解釈を原稿用紙3枚で示せ」という内容がテーマである。太宰は、中学から高校にかけて死ぬほど読んだ。そのデガダンな生き方と、作品の随所に散りばめられたアフォリズム(箴言)に胸を震わせたものだ(私が最も衝撃を受けた太宰の言葉に関しては、http://www5e.biglobe.ne.jp/~puhsan/essay15.htmを参照)。後に不世出のコラムニストで早稲田の尊敬する先輩でもある植草甚一(1902〜1979)の粋な文章に触れた時、「この人は本当に太宰と同じ時代を生きた人なのか」と、違った意味で衝撃を受けたのを思い出す。


太宰はその人生に、いつも“失敗”の2文字がつきまとう。女性と心中を繰り返してはひとり生き残り、社会主義社会の実現を夢見ては挫折し、狂うほど欲しかった芥川賞も遂に手中にはできなかった。そして、最後は玉川上水での入水自殺。彼の死に関しては様々な推測がなされているが、私は最後の愛人・山崎富栄に迫られての、不本意な入水だったと見ている。未完に終わった最後の小説『グッド・バイ』は、彼の新境地を開く内容であった。プライドの高い彼が、名声の絶頂で死を積極的に選ぶはずがない。たまたま愛人にした女性が生真面目で、そのひたむきさにズルズルとつき合ってしまった果ての心中であったというのが真相だろう。作家としては歴史に巨大な足跡を残した偉人であったが、人間としては最後に自裁を選ぶと言う“大罪”を犯してしまった愚か者であった。



彼が死の年に発表した『桜桃』の一節を引こう。


生きるという事は、たいへんな事だ。あちこちから鎖がからまっていて、少しでも動くと、血が噴き出す



人間は魂を鍛えるために、何度もこの世に生まれ出る。“生きる”ということは修行の旅だ。しかし、それは辛いことばかりではない。



濁りのない優しさを持ち寄って、本当に信頼できる友達と出会えたときの“喜び”。


かけがえのない異性と心を通わせて、温かい家庭を創り上げるという“喜び”。


自然界の法則に則ったいい仕事をして、多くの人々を感動させるという“喜び”。




悲しみと同じ分だけ、いやそれ以上に、この世では自分の努力次第でいくらでも素晴らしい出来事に遭遇することができる。それは、生まれ出る前に誓った清らかな“魂の願い”を、真剣に実現させようとひたむきに生きたあなたへの“神の祝福”に他ならない。身体を動かすことで、“血が噴き出す”のを恐れてはいけない。その行動が正しければ、傍で厚い手当てをしてくれる存在が必ず登場する。それはこの世で、一般に“友達”や“家族”と言われるものだ。それらの存在を持っていながら、その大切さに気づくことができず、人生の修行を途中で“退学”するという愚行を犯したところに太宰の悲劇があった。



人生に失敗などない。あるのは“前向きなつまづき”である。


あなたが正義の努力をしていれば、必ずや天が最適の時期にチャンスを授けてくれる。





この世も、そんなに悪いもんじゃない。


椅子を離れ、庭園の芝生に身を委ねながら、先に旅立った友人のことを思い出していた。








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